特集
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おさじの処方箋

第2回 自然派やオーガニックでも起こります。
「海外の化粧品が肌に合わなくて…」

敏感肌向けの化粧品を手がけた後に国産オーガニックコスメをつくった開発者として、海外や国内問わずオーガニックコスメに関するさまざまな疑問や質問をいただくことが増えてきました。今回はその中でも、オーガニックや自然派をうたった海外の化粧品についてのありがちな誤解、についてお話ししましょう。


― 海外のオーガニック化粧品を使ったら、思ったより刺激を感じたのですが…。

海外で買ったもの、あるいは国内で買った輸入もののオーガニック化粧品というと、欧米のものがかなり多いのではないかと思います。オーガニックと書いてあるとそれだけで肌にやさしそうなイメージを持ってしまう方がまだまだ多いようですが、まず欧米と日本では風土の違い、自然環境ひとつとってもかなり差がありますよね。 人間の体は環境に適応しようとするので、人種によって望ましいスキンケアが違ってくるのが当然なんです。具体的にどんな要因で肌質に違いが出てくるのかというと、とくに際立っているのは“食生活と水質”だと思います。

「You are what you eat」という
英語のことわざもあるように
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― 毎日食べるもの、食生活って、そんなにも肌に影響するのでしょうか?

その国で脈々と受け継がれた食習慣は、体質はじめ、肌質の傾向に影響しています。欧米は肉食の歴史が長いので、脂っぽさや、その脂っぽさが酸化して生じる体臭のケアを、スキンケアが兼ねている部分は大いにあると思います。ボディソープでしっかり洗って、香りの強いボディローションや香水を毎日つけることは、当たり前になっているんですよね。 一方で、日本は肉食がはじまってからの歴史がまだまだ浅く、体臭も弱い傾向にあります。そのため、そこまでしっかり洗い落とす必要性も、何か香料の強いものをつける必要性もないんです。

「水が硬いか、軟らかいかで、
“洗うもの”に大きな差が
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― 水質でスキンケアが変わる。というのは、どういうことなのでしょうか?

ヨーロッパなどに旅行に行った人から「水が硬水だから、石けんやシャンプーが全然泡立たなくて…」といった話を聞かされたことはないでしょうか。ヨーロッパや北米などは水道水の硬度がかなり高く、日本の水道水は一般的に硬度が低い軟水といわれています。 硬度が高いというのは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルがたくさん含まれているということです。泡立ちの悪さは、これらの水に溶けないミネラルに、石けんやシャンプーに配合されている洗浄成分が汚れと反応する前に化学反応を起こしてしまうことによって起こります。この問題点をクリアすべく、製品にはさまざまな角度から工夫がなされていると思いますが、硬水が生活用水の国の洗顔料やボディソープの中には、“しっかり落ちた感”を与えるため、洗浄力が日本のものよりやや強くなっているものも見受けられます。

保湿のためのアイテムも
肌に合わなかったのはなぜ?
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― 洗顔料やボディソープ以外も、いまいち肌に合わないと感じたのですが…。

1つめの食生活の話と、2つめの水質の話を合わせてみても、欧米のスキンケアは“ごっそり洗い落とし、こってり塗って保湿する”という傾向が強いと思います。日本と比べて、ミルクやクリームが好まれるのも、そのあらわれではないでしょうか。それらの保湿アイテムの中には、天然由来であっても、体臭ケアの役割を果たせるくらいの香料が配合されていることも。 秋冬には空気が乾燥し、春夏になると気温と湿度が急上昇する、四季というメリハリを過ごしている日本人は、ミルクやクリームの油分のべたつきが苦手で、肌トラブルに繋がってしまう方も多いです。また、香りで体臭ケアをする必要性がもともと低い上、春夏のムシムシとした環境下では、香料の強いものを使いたいという欲求は低い傾向にあります。 化粧品にとって、香りや使用感というのは確かに大切な要素です。しかし、オーガニックや自然派といえども、海外でつくられた化粧品は、予想以上に香りが強かったり、洗浄力が高かったり、ということも少なくないと思います。とくに肌の弱い方は、生まれながらの自分の肌の傾向、現在のバリア機能の状態などをよく観察した上で、国産のスキンケアを選んでいただくと、肌に合わずトラブルを招いてしまう確率がぐっと下がると思います。


茂田正和 1978年11月生まれ
1978年11月生まれ / 所属団体:日本皮膚科学会所属、 日本皮膚免疫アレルギー学会、 日本化粧品技術者会所属、 日本香粧品学会所属、 こどもを紫外線から守る会主宰、 バランスケアアソシエーション主宰 / 執筆実績:リンネル(宝島社)、 大人のおしゃれ手帳(宝島社)、 momo(マイルスタッフ)、 スキンケア大学(リッチメディア)、 フレグランスジャーナル(フレグランスジャーナル社)

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