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おさじの処方箋

第4回
肌のために知っておきたい
精油が持つデメリットとは?

精油は100%植物由来のものですが、残念ながら「天然、自然のものだから、肌にやさしい」といった理屈が通るものでもありません。前回お話しましたが、精油にはさまざまな成分が濃縮した状態で含まれています。海外では医療分野に用いられるほど効果効能があるぶん、使い方次第では肌にとって刺激となることもあります。今回は、そんな精油のデメリットに関するQ&Aです。


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精油を、毎日使用しても
問題ないのでしょうか?

アロマポットなどで精油を拡散させて香りを楽しむなど、ストレス軽減のレベルで使用するぶんには問題ないと思います。しかし、キャリアオイルなどで薄めてマッサージするといった、肌への使用となると注意が必要です。例えば、ラベンダーにしろ、レモンやオレンジにしろ、精油にはかなりの抗菌力や殺菌力を発揮するものが多くあります。毎日、あるいは大量に、精油が肌に触れることは、肌のバリア機能の維持に関与している皮膚常在菌のバランスが崩れるリスクが高まります。

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精油は単品よりも、
ブレンドしたほうが効果的?

単体だから効果が弱く、ブレンドしているから効果が強い、といったことはとくにありません。精油をブレンドすると、含まれる化合物(天然の化学物質が集まってできたもの)の量は増えるので、むしろ肌が弱い方はブレンドの数が多くないほうが、合わないものがあった時に突き止めやすいでしょう。

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使い方に注意が必要な
精油はありますか?

例えば、レモンやベルガモット、グレープフルーツなどの精油に含まれるソラレンやフロクマリンと呼ばれる化合物には光毒性(光感作作用とも呼ばれる)があります。これらが肌についた状態で日光や紫外線を浴びると、赤み、かゆみ、色素沈着など細胞がダメージを受けてしまうことも。そのため、コスメを手づくりする時などは、とくに気をつけましょう。精油は、目的に合わせて最適な濃度や処方が必要とされるものです。薄めれば大丈夫、というものでもないので、自己流ではなくはきちんと専門家の指導のもと精油を選んで扱ったほうが良いでしょう。

肌が弱っている時に、
精油配合のコスメを使ってもOK?

例えばですが、ヒートショックプロテインのように、あえて熱刺激を与えることで修復力を促す、といった健康法は確かに存在します。鍼灸の治療なども近いものがあると思いますし、精油がある種の刺激として細胞の活性化に働くという可能性もないわけではないと思います。ただ、ひとくちに肌が弱っているといっても、現代では不調の状態が非常にさまざまで多様化しています。弱ってバリア機能が低下している肌の場合、かぶれをはじめアレルギー反応を起こして大きな肌トラブルにつながる可能性は否めません。肌が弱っている時は無香料や低刺激のものを使うなど、慎重なコスメ選びを。

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精油配合のコスメを使う時に
チェックすべき点は?

ここ数十年、アトピー症状など出やすい敏感肌の方、季節によってアレルギーなどに悩まされる方が増え続けています。アレルギー学会などが発信する最新情報を把握した上で開発されているコスメかどうか、リーフレットやホームページの内容に一度は目を通しましょう。精油の配合については、IFRA(日本香料工業会)によって、安全な範囲の配合上限が提示されています。その上限ギリギリまで配合すれば、確かに濃厚な香りを楽しめるかもしれませんが肌へのやさしさは低くなるといえます。実は、その上限から10分の1ほどの配合量でも十分に香りの心地よさは感じられますし、精油が肌の刺激となってしまう確率はぐっと下がります。

今回は精油のデメリットについてお話ししましたが、オーガニックコスメの中には無香料のアイテムがラインナップされているブランドもあります。やはり少しでも炎症の兆候を感じた時は、より低刺激な無香料のアイテムに切り替えて様子を見て、肌の調子が戻ってから再び精油の香りを楽しめるラインに戻すのがおすすめです。


茂田正和
1978年11月生まれ / 所属団体:日本皮膚科学会所属、 日本皮膚免疫アレルギー学会、 日本化粧品技術者会所属、 日本香粧品学会所属、 こどもを紫外線から守る会主宰、 バランスケアアソシエーション主宰 / 執筆実績:リンネル(宝島社)、 大人のおしゃれ手帳(宝島社)、 momo(マイルスタッフ)、 スキンケア大学(リッチメディア)、 フレグランスジャーナル(フレグランスジャーナル社)

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おさじの処方箋
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