image
ONLINE
SHOP
image
おさじの処方箋

第5回
うっかり日焼け!のその後に
美白化粧品を使うべき?

「ちょっとそこまでのつもりで、すっぴんで出かけたら」「洗濯物を干す間だけだから、と思っていたら」。予想外の強い陽射しが照りつけ、気づけば肌が浅黒くなってしまった!そんな事態に陥ると、「美白化粧品を使わないとシミやくすみが残りそう...」と焦ってしまう方がこの時期は多いと思います。しかしながら、肌の機能が正常に働いていれば、美白化粧品の手助けは不要なのです。今回は、健やかな肌の機能をしっかり見つめるところから“美白ケアは本当に必要? ”に迫ります。


肌を守るべく生成されるメラニン。
メラニンを抑制すると肌はどうなる?
image

そもそも日焼けとは、紫外線を浴びた際の肌の防御反応の結果です。これ以上ダメージが深くならないよう、紫外線の浸透を遮断すべくメラニンの生成が増やされます。美白成分が配合された美白化粧品の多くは、このメラニンの生成プロセスを抑制すべくアプローチします。つまり美白化粧品を使うことは、自然の摂理という観点からすると、健やかな肌に備わっている防御反応を妨げてしまうことになるのです。そのため美白化粧品を使い続けると、肌にもともと備わっている防御力が低下し、長期的には逆に老化しやすい弱い肌になってしまうというリスクがあります。

弱酸性の肌環境を保つことで
メラニンをきちんと排出できる肌へ
image

日焼けをして肌が浅黒くなるのは、通常より多く生成されたメラニンが肌表面に留まっている間だけです。子供の頃は日焼けをしてもあっという間に、もとの明るい肌に戻ったように、できたメラニンが古い角質とともにきちん排出されれば、シミやくすみを残すことはありません。肌の健やかさを保ち、なおかつ透明感や明るさをキープするために本当に大切なのは、肌のターンオーバーを整えて、メラニンをきちんと排出できる肌状態を保つことです。そのためには、実は肌が弱酸性に保たれていることが必須条件といえます。というのも、弱酸性の環境下で働く酵素によって古い角質が脱落し、新しい角質が下から上がってくるからです。

汗とのつき合い方を見直して
日中もつねに肌を弱酸性に
image

この点から、湿度の高い梅雨から夏は汗との付き合い方がポイントになります。汗は、出た瞬間は乳酸を含むので弱酸性なのですが、肌表面に残ると汗に含まれる尿素がウレアーゼという酵素に分解され、アンモニアに変化します。このアンモニアはアルカリ性なので、肌環境は中性に傾いて弱酸性の状態を保てなくなるのです。こうなるとターンオーバーのリズムが乱れ、古い角質は肌表面に残りやすくなり、肌荒れも起こりやすくなります。

クリアな肌を保つための第一歩は、余分な汗を肌に残さないこと。すぐにハンカチでふき取り、弱酸性に肌が整う化粧水をミスト容器などで持ち歩いてシュッとしてあげることで、肌を弱酸性にリセットするようにしましょう。

スキンケアというと、一般的には汚れを落とす洗浄、潤いを与える保湿、といったことを真っ先に思い浮かべると思います。しかし、肌が健康的に機能するためにもっとも重要な要素である“弱酸性に保つ”こともまた、スキンケアの重要な役割のひとつなのです。夏場はベタつくのがイヤでどうしても乳液やクリームは使えない、というのであればそれでも構いません。ただ、化粧水で整えて肌表面を弱酸性に保つことだけは、メラニンを排出できる肌でいるために最低限すべきケアといえます。

とはいえ、朝のスキンケアは
日焼け止めまでを必ずセットに
image

人の体には、自然の摂理によってリセットされるしくみが備わっています。「美白化粧品は肌が白くなるもの」という印象を抱かれがちですが、実際はできたメラニンを完全に無色化できるわけではありません。美白とは、細胞レベルにまで働きかけてメラニンの生成を食い止めることです。それは一方で「メラニンを作って肌を保護し、役目が終わったら排出する」という肌本来の機能を乱してしまうという、副作用的な状況を招きかねません。

統計的なデータからも、メラニンの量がもともと少ない欧米人のほうが皮膚ガン発症のリスクが高く、老化もしやすいことは明らかです。肌の白いは七難隠すという言葉は古くからありますが、メラニンを目の仇にして生成を止めようとするのは、ウェルネスの視点からすると時代遅れなアプローチといえるのかもしれません。肌のターンオーバーがスムーズに行われるよう促しながら、毎日の日焼け止めを習慣にして紫外線の影響をカットすれば、重大なメラニンの過剰生成が起きることはありません。

肌をつねに弱酸性に保つこと、朝のスキンケアは日焼け止めを塗るところまでをセットにして終えること。この2つを欠かさず徹底するだけ。健康体の大人であれば、とくに美白化粧品を投入せずともシミやくすみを残すことなく、明るい肌をキープできることを、ぜひたくさんの方に知っていただきたいです。


茂田正和
1978年11月生まれ / 所属団体:日本皮膚科学会所属、 日本皮膚免疫アレルギー学会、 日本化粧品技術者会所属、 日本香粧品学会所属、 こどもを紫外線から守る会主宰、 バランスケアアソシエーション主宰 / 執筆実績:リンネル(宝島社)、 大人のおしゃれ手帳(宝島社)、 momo(マイルスタッフ)、 スキンケア大学(リッチメディア)、 フレグランスジャーナル(フレグランスジャーナル社)

image
image
share
OSAJI Journal Instagram
おさじの処方箋
第17回 ニオイや肌荒れの原因にもなりうる汗をかく仕組みと役割
第16回 All or Nothingに向かわない“健やかさ”の本質を考える
第15回 あらためて把握しておきたい、敏感肌ってどんな肌状態のこと?
第14回 低体温からくる汗不足を解消して乾燥トラブルを招きにくい肌へ
第13回 知っておきたい“香らせ作法”自分にも周りにもやさしい香り選びとは
第12回 美容の大敵である冷えをケアして、いきいきとした透明感をキープ
第11回 くすみのない澄んだ肌を保つ鍵はターンオーバーとpHの関係性にあり?
第10回 乾燥すると肌がチクチクしたり かゆみを感じるのはなぜ?
第9回 紫外線ダメージでお疲れの肌に 肌内部の炎症と対策ケア
第8回 しっとりふっくら美肌への道 キメ密度を上げるための具体策
第7回 キメの乱れが目立ちやすい時期 そもそも“キメが整っている”とは?
第6回 肌透明感のある肌になるには? 必ず水分→油分で2段階保湿!
第5回 うっかり日焼け!のその後に 美白化粧品を使うべき?
第4回 肌のために知っておきたい精油が持つデメリットとは?
第3回 然の香りでキレイを支える 精油がもたらすメリットとは?
第2回 自然派やオーガニックでも起こります。「海外の化粧品が肌に合わなくて…」
第1回 オーガニックだから、肌にやさしくて安心と言い切れない理由