梅雨にかかると、気分が落ち込みやすい、イライラしがち、手足が冷える、片頭痛が起こるなど、病気とは言えないものの辛い思いを抱えていらっしゃる方が多くいます。その原因も様々です。
それぞれどんな影響を私たちに与えるのでしょうか。今回は、香りや爽やかな時間が与えてくれる心地よい解決方法もご紹介します。
私たちは地球の重力に逆らいながら、また利用しながら生活をしています。椅子に座れるのも、歩けるのも重力のおかげ。人は重力を体全体で受け、体を上手に調整し、同時に気圧という変化する圧力にも対応しなければなりません。その変化を感じ取るのは、耳にある三半規管です。三半規管の役割は体幹バランスをとること。そして脳はここからのシグナルと視覚情報やその他の体の動きをトータルに判断し、調整してバランスを記憶します。しかし梅雨時のように低気圧側にばかり傾いていると、確実にアンバランスを引き起こし、その影響は、体の基本機能を司る自律神経の調整能力に反映します。結果、『自律神経の乱れ』が大きなストレスとなり、時にはめまいや片頭痛にもつながってしまいます。
本来、人は皮膚の表面温度が上がったときや筋肉活動や炎症によって高い熱を蓄積すると、発汗して体温調整をします。ただし汗そのものではなく、汗の蒸発によって熱が奪われ体温が下がる、という点がポイントです。湿度が高い梅雨時は、汗をかいたとしても蒸発しずらいため体温調整が難しく、自律神経のアンバランスを招きます。
季節の変わり目でもあり、前線を挟んで寒い空気と暑い空気がせめぎあうのが梅雨です。自律神経は、振り子運動のようにいったり来たりしながら少しずつ振り幅を調整し、体を気温の変化に順応させるのが得意。梅雨時の寒さと蒸し暑さの急激な変化や繰り返しに対応しきれません。自律神経の対応能力を超えると、心と体のあらゆる機能に影響が及ぶことになります。
皆さんもご存知でしょう。1日のバイオリズムを整えるためには、朝陽を浴びることが重要です。紫外線を浴びることで、クロックセルが刺激されて生活リズムが調整されます。つまり晴天の日の朝陽は、質の高い睡眠をプレゼントしてくれるのです。では梅雨時はどうでしょうか?いつもの時間に目覚めると、まるで夕方のような薄暗さ。そんな日が続きます。生活リズムは乱れ、体調を回復するために最も大切な睡眠の質を下げてしまいます。
季節の変化に歯向かうことは誰にもできません。しかし、それぞれの原因と体の仕組みを理解すれば梅雨時の心と体を心地よく整えることは可能ですね。
低気圧が続くと休憩モードになって思考が落ち着く副交感神経が興奮し、高気圧になると集中力をアップさせヤル気スイッチを入れてくれる交感神経が興奮します。低気圧によって起こるだるさ、やる気が出ないといった原因はここにあります。こんな時は気持ちをリフレッシュし、集中力を活性化することでヤル気モードを発動させ、だるさを一掃させることができます。おすすめの方法は
・42度程度の熱めのシャワーを浴びる・ストレッチやじんわり汗ばむ程度の有酸素運動をする
・スッキリする香りで、リフレッシュしながら交感神経系にシフトさせるおすすめの精油とハーブは、おなじみのローズマリーやセージ、そして柑橘の中でも少し苦みを感じるライムやレモンです。グレープフルーツもおすすめ。朝食で柑橘類を積極的に取り入れたり、朝のストレッチにリフレッシュ効果のある精油で室内芳香を組み合わせたり、朝のシャワーの後のスキンケアに、美肌効果も期待できるローズマリーやセージ香るスキンケアグッズをプラスすることで、あなたの一日はパワーアップすることでしょう。
汗が蒸発しないと雑菌が増え、汗とともに出る皮脂が酸化して、嫌な臭いの原因にもなりかねません。不快指数が高い梅雨を爽快に過ごすためには・汗をかいたらこまめに拭き、シャワーを浴びる・空調の適切な調整や衣服の工夫で皮膚表面の急激な温度変化を避ける・揮発効果や殺菌効果の高い成分を含む精油で、汗の蒸発を促し、不快な臭いに対処する おすすめの精油は、爽快感をもたらすメントール成分を含むハッカやペパーミント、汗の臭いが気になるときにはユーカリやティーツリー、ラベンダーもおすすめです。不快指数が高い日は、数滴ハッカやペパーミントを滴下した氷水で冷やしたタオルを首筋に充てることはとても効果的ですし、ユーカリやティーツリー、ラベンダーの香りのスキントニックをスプレーして汗を拭くだけでも、爽やかで気分をスッキリと切り替えてくれるでしょう。
朝はしっかりと活動量を引き上げ、バランスの良い食事を美味しく食べ、夜に質の高い睡眠を得ることは、心と体の健康の基本です。これが疎かになると自律神経が乱れ、ますますストレスに立ち向かうことが難しくなり、なお一層生活のバイオリズムが狂うという負のサイクルに陥ってしまいます。梅雨時も生活のリズムを乱さないためには・バランスの取れた規則正しい食事を心がける・休日も同じ起床時間を守り、朝の行動ルーティーンを決める・心地よい寝具を準備し、睡眠不足になったときは短時間の昼寝を心がける・朝はバイタリティーをもたらし、午後は心を落ち着かせ、夜は緊張を緩和させるアイテムを積極的に取り入れるおすすめの精油やハーブは、朝には感覚能力を高めるレモン、ライム、ユズなどの柑橘類の香りを食事や室内芳香で、午後は心の安定と同時に集中力を高めるシダーウッドやベチバー、ヒノキといった木と土を感じる香りを取り入れます。木のアイテムを身近に置くことや、土に触れる時間を作るのもいいでしょう。夜はラベンダーやゼラニウム、パルマローザの香りの入浴剤やボディーソープをバスタイムにプラスしてみてください。
じめじめした梅雨に爽やかさをプラスし、心と体そして毎日をポジティブに切り替える精油のブレンドレシピは?
カビや菌が繁殖しやすい梅雨時の空間を、爽やかなヒノキの香りで清潔に
[作り方]
清潔なスプレー容器にウォッカを注ぎ、次に精油を滴下し、軽く振り混ぜた後炭酸水を加える。
[注意]
火気厳禁
無垢材や水分が浸透する素材には使用しない。
[使用方法]
植物の持つ爽やかな抗真菌(防カビ)作用で、カビの発生を抑制し、香りの忌避作用によりゴキブリや蛾を寄せ付けません。お掃除では手垢や湯垢が気になる、プラスチック、ガラス、ニス加工した家具、お風呂掃除の仕上げなどにご利用ください。すっきり爽やかな香りでルームリフレッシュナーとしてもおすすめ。
いつでもシュッとひと吹き。梅雨時のイライラ、憂鬱、だるさをリフレッシュし、ポジティブに切り替えます。
[作り方]
清潔なスプレー容器にウォッカを入れ、精油を滴下する。次にローズウォーターを加えてよく振り混ぜる。
[注意]
保存期間2週間 冷暗所にて保管パッチテストをしてからご使用ください皮膚に違和感がある場合は、流水で流し医師の診察を受けてください傷口、目、口腔内、鼻粘膜への使用は避けてください。
[使用方法]
・汗を拭きとして:汗が気になる場所にたっぷりとスプレーし、清潔なタオルや柔らかなコットンで優しくふき取ってください。
・制汗スプレーとして:汗をかきやすい場所、頭皮、脇、背中、脚などに少量を広くスプレーします。
・やる気が出ないとき:胸元や首筋に直接スプレー。華やかな爽快感が梅雨時の気持ちをすっきりと整えます。
・雨の時、こめかみのリフレッシュに:氷水で絞ったタオルにスプレーし、気圧の変化でつらいこめかみやおでこをクールダウンします。
梅雨の時期、体の疲れが取れないと感じることが多くなります。実は体だけでなく、脳が大きなストレスと疲れを感じていることも忘れてはいけません。上手にストレスを開放し、日々の生活の中に、爽やかで心が活気づくお気に入りのアイテムや時間そして香りを取り入れ、心と体を心地よく整えてくださいね。