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つくる、食べる、
肌が喜ぶ料理の話。

vol.6
テーマ /
出汁〈昆布・干し椎茸・エイヒレ〉
August 20, 2021

OSAJIディレクター茂田正和と、ヘルシーで遊び心のある食開発で知られるフードコーディネーター米田牧子さんが料理でセッション。今月のテーマは、日本の食文化にとって必要不可欠であり、UMAMI(旨み)の存在を世界的に広めた“出汁”。冷蔵庫にはつねに出汁のストックを常備している茂田による出汁メニューは、海鮮好きの方にはたまらない2品です。


美味しさと健康が約束される鍵
出汁を取る=正常な味覚を育てる
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茂田 出汁は、日本人の大切なミネラル源であり、味覚の基準値を作ってくれるという意味でも重要な存在。今の時代、コンビニですぐに買えることもあって子供の頃からお水よりもお茶を飲ませちゃう傾向があるでしょ。美味しさのゼロ地点というのを持たずに、最初から苦味や甘みを含んだ複雑な味で育ってしまうことが多い気がするんです。

米田 確かに。お水から始まって、少しずつお出汁やお茶と味のついたものに移っていくのが本来は理想的ですよね。

茂田 嗅覚もそうですが、繊細な味覚を育てることは、単純にこれを食べたら危ないな、というリスク管理の意味でも大切。顆粒タイプの出汁はお手軽ではあるけれど、はっきりした味にデフォルメされていることが多いから、やっぱり自分で出汁を取ることを僕は強くおすすめしたいです。

米田 旨味については、五味の中でもはっきりこう、と表しにくい味わいですよね。だからこそ、食材の香りや味をつぶさずに引き出してもくれる。

茂田 そうなんです。出汁で味覚の絶対値を確立できたら、わずかな香りや味わいの差に気づけるようになります。出汁を取るのが面倒で...という声もあるとは思うけれど、それこそ前の晩に水を入れたポットに昆布を浸しておく水出しなら簡単。

米田 今日は煮出して取りましたが、私は、昆布出汁は水出しで取ること、わりと多いですね。翌日、軽く火を入れるだけですぐに使えます。

茂田 僕も、昆布出汁がいちばん使いやすくて好きです。昆布を良く食べる海沿いの人は肌がキレイといわれるくらいミネラルリッチだし、なによりほかの食材と合わせやすい。昆布と椎茸の出汁のストックが冷凍庫にあれば、ちょっと鶏のひき肉を合わせてラーメンのスープにとか、いろんな料理に使えます。出汁をベースにオリジナルの調味料も作れるし、ぜひみなさんもちょっと空いた時間で出汁を取ること習慣にしてみて欲しいです。

昆布・干し椎茸・エイヒレで取った出汁を
ベースにした2つレシピをご紹介します。
帆立と⻩にらの炊き込みご飯

by 茂田正和

材 料
  • 出汁(昆布・干し椎茸・エイヒレ)
  • 生姜
  • ネギ(⻘い部分)
  • 玄米
  • 帆立
  • ⻩にら
  • 醤油・みりん・酒
つくりかた

出汁は、昆布、椎茸、エイヒレを使って多めに取る(エイヒレと筍のあんかけにも使うため)。炊き込みご飯が2合分であれば、干し椎茸は大きめを2つ、昆布は大きめのものを2枚くらい、エイヒレも大きめ2つが目安。昆布は、思っているよりも多めに入れたほうが風味豊かな仕上がりに。

鍋に水を用意し、出汁用の具材を入れて火にかける。沸騰させないよう80°Cくらいで約30分したら、具材を取り出してスライスした生姜とネギを入れて弱火で10分。完成した出汁は、1度冷ましてから炊き込みご飯に使う。

玄米は、30分以上浸水させる。玄米を浸水させている間に、炊き込みご飯に混ぜ入れる具材を準備する。帆立は、みりん大さじ2、醤油大さじ1で下味をつけてからバーナーで炙り焼きに。⻩にらは食べやすい大きさに刻む。

玄米の量と出汁の量、1対1で土鍋に入れる。玄米1合あたり醤油大さじ1、みりん大さじ1を加えて沸騰するまでは強火、沸騰してからの弱火は白米だと10分のところを、玄米なので25分ほどかけて炊く。25分経ったら火を止め、このタイミングで⻩にらと帆立を入れて10分蒸らして完成。

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ぷりぷりの帆立と上品な甘みの⻩にら
エイヒレと筍のあんかけ

by 茂田正和

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材 料
  • 出汁(昆布・干し椎茸・エイヒレ)
  • 筍(水煮)
  • 椎茸(出汁で使ったもの)
  • 生姜
  • オイスタソース・味醂・塩
  • 水溶き片栗粉ごま油
つくりかた

出汁で使ったエイヒレを手でほぐし、干し椎茸は半分に切っておく。筍も食べやすい大きさに切り、具材を鍋に用意した出汁に入れたら、スライスした生姜を1枚入れて弱火にかける。

味付けは、オイスターソース、味醂、塩でつける。オイスターソースをベースに、甘味は味醂をやや多めに、塩味は塩を少しずつ入れて調整する。好みの味に整ったところで、水溶き片栗粉を入れてとろみをつけて。仕上げに、ごま油をごく少量まわし入れて完成。

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帆立と⻩にらの炊き込みご飯にかけました

エイヒレがスーパーの海鮮売場などで見つからない場合は、おつまみ売場にあるようなエイヒレでも代用できます。炊き込みご飯に入れる帆立は、バーナーではなくフライパンや網を使って焼き目をつけてもOK。炊き込みご飯に入れた帆立や⻩にらをあんかけに、逆にあんかけに入れた筍やエイヒレを炊き込みご飯にと、今回の2品は具材を入れ替えてももちろん美味しいです。あんかけは、豆腐を加えればより満腹感のあるおかずになりますよ。

photo: Yuto Yamazaki
text : Kuniko Ishizuka
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つくる、食べる、肌が喜ぶ料理の話。
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vol.2 対談 / 楽しく、おいしく、食べるために。
vol.1 インナーケアから美肌を育む。