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おさじの処方箋

第9回
紫外線ダメージでお疲れの肌に
肌内部の炎症と対策ケア

紫外線、エアコンによる乾燥、大気中の汚染物質など、現代の日常生活には肌を刺激する要因がたくさん存在します。それらは言い換えれば、肌の表面や内部に炎症を起こしてダメージを与えるトリガー。とくに陽射しが強い夏は、日焼け止めを塗っていたとしても紫外線によるダメージが少しずつ蓄積することで、トラブルが表面化していなくても、肌内部で微弱な炎症が起こっている可能性は高いです。そして、その炎症がきちんと鎮静されないまま続いてしまうことは、老化が進むこととイコールといえます。


炎症→活性酸素の発生が
引き起こすダメージの連鎖
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何らかの要因で肌に大なり小なりのストレスが加わると、傷を負った時と同じように脳には炎症というかたちでサインが伝わります。切り傷なら痛みですが、紫外線によるものなら熱を持ったり、赤くなってヒリヒリするのも炎症のサインです。そして炎症が起こると発生する活性酸素は、肌の真皮層を支えるコラーゲンやエラスチンをハサミでブツブツと切るかのように破壊してダメージを与えます。これが、“炎症=老化の進行”の裏付けとなるメカニズムです。

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外的な刺激によって炎症が起こると、肌表面の角層のバリア機能は低下しますが、冒頭でお話ししたように少しずつ浸透した紫外線による炎症で真皮層が発生した活性酸素が角質層を参加させ、知らずのうちにバリア機能が低下していくこともあります。いずれにしろ一度バリア機能が低下してしまうと、秋になって湿度が下がり始めた時にどんどん水分が蒸発して急激に肌が乾き、細胞と細胞の間にできた隙間から異物も侵入しやすくなるため、また炎症が起こるという肌ダメージのループに陥ってしまいます。

必要なのは正しい保湿ケアに
鎮静と消炎をプラスすること

「ちょっとカサついてきたけれど、炎症というほどの乾燥ではないかな」と、なんとなくしっとり感やハリ感を感じられる化粧品に切り替えて満足される方は多いと思いますが、それは本当に“炎症をしっかり鎮める保湿”でしょうか。人体にとって水分は重要なものなので、乾燥状態が続くとそれは炎症として脳にサインが伝わります。湿潤療法の例からも、肌がしっかり保湿されて水分の蒸発が止まると、炎症という脳へのサインが止まって治癒が進む、つまり免疫力が高まることは疫学的な研究からもわかってきています。

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第6回のコラムで解説したように、正しい保湿とは、水分を与えるヒューメクタントの保湿と、水分の蒸発を防ぐフタとなる成分を与えるエモリエントの保湿、2つがそろって初めて成立します。角層のバリア機能を立て直すには、正しい保湿を継続することが必須。しかしながら、炎症によるダメージのループに陥ってしまっている場合は、正しい保湿に鎮静や消炎を促す成分をプラスしたほうが良いと思います。古くから使われている鎮静成分のアラントインは、抗炎症とともに細胞を修復する働きも期待できます。そして消炎成分の代表といえば、グリチルリチン酸ジカリウム。こちらは起こっている炎症に対してかゆみや痛みを抑えて火消しの役割りを果たしてくれます。   

どちらか片方ではなく
炎症と鎮静の働きはセットで

軽い火傷といえるようなヒリヒリとした日焼けをしてしまった場合、まずはすぐに冷やしてヒリヒリ感を鎮静しますよね。これは熱が内部にどんどん伝わって炎症が広がるのを防ぐためです。時間が経ってからは、肌を乾燥させないよう保湿して消炎に励むことが、皮むけや色素沈着の予防につながります。もちろんこれは日焼けによる極端な炎症のケースであって、空気の乾燥などから起こる微弱な炎症であっても、ダメージのループが止まらなければ老化は進みやすくなります。できるだけ湿度が低下しはじめる前から、鎮静や消炎の働きを備えた、正しい保湿ケアができるアイテムを普段から1つ常備しておくことをおすすめします。

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肌内部でくすぶる夏の紫外線ダメージを早めにリセットして、これからやってくる秋冬の乾燥に負けにくい健やかな肌を準備しましょう。また、コロナ禍でもあり、室内で過ごすことがより多くなる秋冬は、加湿器をつけてお部屋の湿度が下がり過ぎないよう環境面から工夫することもお忘れなく。


炎症と乾燥ケアにおすすめのアイテム

茂田正和
1978年11月生まれ / 所属団体:日本皮膚科学会所属、 日本皮膚免疫アレルギー学会、 日本化粧品技術者会所属、 日本香粧品学会所属、 こどもを紫外線から守る会主宰、 バランスケアアソシエーション主宰 / 執筆実績:リンネル(宝島社)、 大人のおしゃれ手帳(宝島社)、 momo(マイルスタッフ)、 スキンケア大学(リッチメディア)、 フレグランスジャーナル(フレグランスジャーナル社)

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おさじの処方箋
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