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つくる、食べる、
肌が喜ぶ料理の話。

vol.11
テーマ / 免疫力
March 14, 2022

体調管理に気を抜けない日々が⻑く続いています。体を温めて巡りを促し、腸内環境を整えて免疫力を高く保つ体づくりは、昔から大切なことではありましたが、今となっては何よりも最優先すべきことです。今回はOSAJIディレクター 茂田正和がそんな時世にぴったりの鍋料理を提案。免疫力をアップする2つの食材は美味しさも倍増してくれます。


免疫力をサポートする
山芋のぬめり成分と味噌の発酵パワー
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—— 今回は、免疫力アップに役立つ食材を取り入れた鍋料理ということで、献立名からも“精がつきそう”な印象があります。

茂田 春が来ているとはいえ、3月はまだ肌寒いので温かい食べ物でしっかり内側から体を温めたほうが良いですよね。でも「冬の間に定番の鍋は出し尽くしてしまった」という方に免疫力アップにフォーカスした今回の牛とろろ鍋はおすすめです。

—— 免疫力アップに貢献してくれる食材の1つ目は、味噌。人体の免疫機能の7割が集まっているという腸内環境を整えるのに欠かせない発酵食品の中でも、味噌は日本食の宝ですよね。

茂田 味噌にたっぷり含まれる善玉菌の代表、乳酸菌は悪玉菌の働きを抑えて腸内のバランスを整えてくれます。また、不溶性の食物繊維を含む酵母菌が腸の働きを活性化します。さらに麹菌がたくさんの酵素をつくりだし、酵素の働きで生み出されたオリゴ糖は善玉菌のエサとなって腸内環境をより良く保ってくれます。味噌を加熱すると菌の活性はなくなりますが、死菌となっても腸内に棲む善玉菌のエサになってくれるので結果的には腸内環境を良好にしてくれることに変わりはありません。

—— 免疫力アップに貢献してくれる食材の2つ目は、自然薯の別名でも知られる山芋。よくお蕎⻨屋さんなどでは「滋養強壮・夏バテ予防!」といった感じで、山芋を使ったとろろ蕎⻨がおすすめされていますよね。

茂田 山芋に含まれるムチンと呼ばれるぬめり成分は、胃や腸の粘膜を修復して免疫細胞を強化してくれます。また、ジアスターゼという消化酵素も含んでおり、タンパク質や炭水化物の消化・分解を促してくれるので胃腸にやさしいのもポイントです。

—— 食べる直前にとろろをかける、それと半分は千切りにして合わせたのが新鮮でした。

茂田 実はどちらも、栄養素的な意味があるんです。山芋のぬめりは加熱すると失われ、すりおろしてもムチンが壊れてしまうんです。そのため、火を止めてからまず熱が入りにくい千切りの山芋、そして食べる直前に擦りおろしたとろろを流しかけると、栄養素をきちんと摂ることができるよね、というわけです。

—— 白味噌ベースの汁は、ごぼうや三つ葉の香りがとっても合っていてお味噌汁感覚でごくごく飲めちゃう美味しさでした。

茂田 やっぱりそこは、だしパックに頼らず、昆布と鰹節からひと手間かけて取るというのが大切です。昆布だしは、鍋の前にずっと立って低音で火を入れるのが難しいなら、前日の夜に昆布をたっぷりの水に浸けておく水出しでもOK。明日食べたい献立についてちょっと考えて、軽く仕込みをする時間は暮らしの感性をとても豊かにしてくれますよ。

とろろと味噌が決め手の牛鍋
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材 料
  • 牛肉(バラ肉切り落とし)
  • えのき茸
  • 三つ葉
  • 山芋
  • ごぼう
  • ねぎ
  • 油あげ
  • 生姜
  • 醤油・みりん・白味噌
  • だし(昆布・鰹節)
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つくりかた

だしは、たっぷりの水に昆布を入れて60℃くらいの低温で昆布の色が抜けてくるくらいを目安にじっくり煮出す。昆布を取り出したら鰹節を入れ、沸騰したら火を留めて鰹節が沈んでから漉す。

山芋は半分をすり鉢などで擦りおろし、半分は千切りにしておく。擦りおろしたとろろは、冷ましただし(昆布・鰹節)を少量加えて伸ばしておく。

ごぼうは笹がき、油あげは色紙切り、ねぎとえのき茸は食べやすい大きさに切る。最後にのせる三つ葉も、この段階で切っておく。

鍋にだしを注いでひと欠片の生姜を薄切りにして入れ、みりん(気持ち多め)、醤油(だしが色づく程度の少量)、具材の香りが引き立ちやすい白味噌(適量)を入れて味噌汁をつくる時と同じ要領で味を整える。味噌は、八丁味噌にして濃口に、あるいは京味噌で甘めにするなどお好みで変更しても。

具材(牛肉、ごぼう、ねぎ、えのき茸、油あげ)を入れて火にかける。ぐつぐつと煮えてきたら火を留めて三つ葉を入れ、食べる直前に千切りの山芋、擦りおろした山芋を流しかけて完成。

POINT
とろろは完成直前に。千切り山芋ととろろを両方使用して免疫力アップ。

今回は、ごぼうとの香りの相性の良さから牛肉を選びましたが、この鍋のポイントは、とろろと味噌です。牛肉を豚肉にして、豚肉と相性の良い野菜を組み合わせても良いと思います。油あげは、鍋に入れると油のコクが加わり満足度がぐんとアップ。うちの息子に必ずリクエストされる具材です。

text : Kumiko Ishizuka
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