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〈菌活〉で肌も体も健やかに。
美肌菌について / 腸活について

健やかで美しい肌は、体の内側からのケアと、外側からのケアが併走してはじめて叶うもの。そして体の内側からのケアと外側からのケア、どちらにも共通して重要なのが「菌」の存在です。

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人体に棲む菌の数は、体を構成している約36~37兆という細胞の数を優に上回ります。ゆえに、人間は生まれてから死ぬまで、無数の菌の働きにサポートされながら生きているといっても過言ではないのです。

体の中でも日常的にたくさんの菌が棲んでいるのは、鼻や口、胃腸、皮膚、泌尿器や生殖器まわりです。その中でもいちばん菌が多く存在するのは腸で、その次に多いのは皮膚といわれています。腸に棲む菌は総じて腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ばれ、皮膚では皮膚常在菌叢(スキンフローラ)と呼ばれています。各種の菌は花畑のようにグループをつくっており、それら菌のグループのパワーバランスが整っているか乱れているかが、全身の健康や美容面に大きく影響します。

今回は、体の内側からのケアにおいてとくに重要度の高い、腸内細菌叢を整えるための「腸活」と、体の外側からのケアにおいて最近注目されている「美肌菌ケア」、それぞれにフォーカスして解説します。

腸活アドバイザーが解説、「腸活」で変わること
◯これだけは知っておきたい、腸内細菌の基礎知識
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腸には大きく分けて善玉菌、悪玉菌、日和見菌と、3種類のグループの菌が棲んでいます。日和見菌は善玉菌と悪玉菌、どちらか多い方の味方につきます。つまり、善玉菌が多くなるほど日和見菌は善玉菌の味方につき、腸の環境が良くなるのです。
逆に悪玉菌が増えると日和見菌は悪玉菌の味方につき、腸内環境は悪くなります。
そうすると、血管を通じて毒素が全身を巡ることになり、肌環境にも非常に大きな影響があります。ニキビや吹き出物といったトラブルが起こりやすくなったり、角層のターンオーバーが遅れて乾燥やゴワつきが起こりやすくなるなど、腸内環境と肌環境は密に関わっているといってもおかしくないのです。

また、腸は第2の脳といわれているのをご存知でしょうか。腸内環境はメンタルの安定と深い関わりがあり、“幸せホルモン” とも呼ばれる神経伝達物質セロトニンは脳と腸でつくられているのですが、実は脳だけでつくっているのは全体の約5%。
残りは、すべて腸でつくられた物質が脳に運ばれて合成されるといわれています。
そのため、腸内環境が悪化すると気分が落ち込んだり、イライラしやすくなるなど、メンタルが不安定になる可能性も高くなるのです。
つまり、心もふくめて全身を健やかに保つには、腸にいる善玉菌を食事・運動・睡眠などによって優勢にする、日常的な「腸活」がとても大切ということです。

◯今日からすぐに取り入れたい、おすすめの腸活
善玉菌を多くする食事を意識する
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善玉菌を増やす食べ物の代表例は、ご存知の通り乳酸菌を多く摂れるぬか漬けやキムチ、納豆といった発酵食品(*1)です。
発酵食品にはヨーグルトやチーズも含まれますが、乳製品が合わない場合は、豆乳ヨーグルトなどを活用するのも良いと思います。
無添加で天然醸造の醤油や味醂、酢といった調味料も栄養豊富で、善玉菌を優勢にするのにおすすめです。
併せて、善玉菌のエサとなる食物繊維(*2)をしっかり摂ることも大切です。
食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、片方だけでなく両方をバランス良く摂るようにしましょう。
同時に、悪玉菌が増えやすくなる、保存料や合成着色料といった食品添加物、トランス脂肪酸(*3)、精製された白砂糖の摂りすぎには気をつけましょう。 甘いものが好きな女性にとって白砂糖は避けるのが難しいもののひとつですが、ビタミンやミネラルを含んだ黒砂糖や蜂蜜、低糖質な羅漢果を原材料とする糖などを意識するのも良いと思います。

*1、*2
普段からガスやゲップが多い、腹部の膨満感や下痢、便秘などが気になる場合は、発酵食品や食物繊維の摂取量を急に増やすとSIBO(シーボ、小腸内細菌異常増殖)に繋がることがあるため一度クリニックにご相談ください。

*3
マーガリンやショートニング、ファットスプレッドといった加工油脂やパーム油などの植物油脂、それらを使って作られたパンやケーキ、ドーナツなどの菓子類、揚げ物などに含まれる。
血流や代謝を促す習慣を取り入れる
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食べ方の調整とともに、血流を良くして腸のぜん動運動をスムーズにすべく、ほどよい運動の習慣化やきちんと睡眠を摂ることも重要です。
運動については、頑張れる日だけでもひと駅分歩く、積極的に階段を使う、寝る前に3分間エクササイズをするなど、無理のない範囲で続けてみてください。

ストレスと上手につきあうひと工夫
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腸の働きと自律神経の働きは密接に関わっています。軽い運動と同時に、暮らしの中で心地よい香りに触れるストレスケアを取り入れると、睡眠の質の向上にも繋がり疲れが取れやすくなります。
ストレスを完全になくすことは難しいですが、朝から昼の集中力を高めたり、夕方から夜は休息を促すなど、シーンに合わせた香り選びを楽しみ、リラックスできる時間を小まめに摂ってストレスと上手につきあうことも、腸活のひとつです。

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〈PROFOLE〉
OSAJI専属メイクアップエキスパート /
腸活アドバイザー
玉木友麻
前職でスキンケアを中心に化粧品の販売を担当した際、お客さまのニキビを減らせることはできたものの、完全に無くせなかったことが心残りに。その後オーガニック製品を扱う会社に転職、腸内環境のことや栄養学を学び、腸活アドバイザーの資格を取得。
内側からのケアの大切さを知る。現在はOSAJIでメイクアップエキスパートとして働きながら、お客様の肌悩みに対し日頃のスキンケアだけでなく食生活や睡眠事情などもヒアリングするなど、さまざまな角度からのサポートを心がけている。
◯これだけは知っておきたい、
皮膚常在菌の基礎知識
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※善玉菌・日和見菌・悪玉菌の理想的なバランスは腸内細菌と同様

腸に棲む菌と同じように、肌に棲む皮膚常在菌にも善玉菌(美肌菌)、悪玉菌、日和見菌と3種類のグループが存在します。善玉菌(美肌菌)は、皮脂や汗をエサにして肌をうるおわせるグリセリンと、肌のpHを弱酸性に保って悪玉菌や雑菌の繁殖を防ぐ短鎖脂肪酸をつくりだします。アクネ菌は、実は肌のうるおいを保ってくれる存在。腸内フローラと同じように悪玉菌が増殖して菌バランスが崩れると、アクネ菌は悪玉化してニキビの原因となり、そのほかの肌トラブルも起こりやすくなります。つまり善玉菌(美肌菌)が多いほど肌のうるおい度は高くなり、みずみずしい透明感をたたえた、トラブルの起こりにくいなめらかな肌を保てるというわけです。

◯今日からすぐに取り入れたい、
おすすめの美肌菌ケア
洗浄成分+体温以上のお湯は避けて
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クレンジングや洗顔は、汚れを落とすことがいちばんの目的ですが、肌表面の皮膚常在菌が一時的に減ってしまうというデメリットがあります。
そこに体温よりも温かいお湯でのすすぎが加わると、肌への負担が一気に大きくなります。
高い洗浄成分+温度の高いお湯で毎日のように肌を洗うと、角層の間を埋めているうるおい(細胞間脂質)が流出してしまうため、急速にバリア機能が低下します。
毎日のスキンケアは、汚れをきちんと落としつつ肌にやさしいものを選び、体温以下のぬるま湯ですすぎを心がけましょう。

日々じんわりと汗をかく心がけを
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善玉菌(美肌菌)のエサは皮脂や汗です。春から夏にかけては、日常的な動きでも汗や皮脂が分泌されますが、職場の冷房がきいていて汗をかきにくかったり、冷え性で秋冬はあまり汗をかけないという方も多いのではないでしょうか。
マイペースに続けられる軽い運動や、運動が苦手な方はサウナや岩盤浴でも良いので、じんわりと汗をかく機会をルーティンに入れてみることをおすすめします。

肌状態に合った化粧品を使う
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肌の菌バランスが崩れ、バリア機能の低下によるトラブルの兆しを感じたら、まずは低刺激な敏感肌向け化粧品やシンプルなスキンケアへの切り替えをおすすめします。
普段はノーマル肌でも、月経前になるとホルモンバランスの変化で皮脂分泌が増えて肌状態が揺らぐ、そんな時は、美肌菌目線でいま使っている化粧品を見直してみるのもおすすめです。

保湿ケアで水分と油分を補う
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菌が生きていくためには湿度が重要です。基本の保湿ケアは、角層に水分を補う保湿と、油分でフタをして蒸発を防ぐ保湿から成り立っています。化粧水は肌に入らなくなるまでたっぷりとなじませて、乳液やクリームといったモイスチャライザーで閉じ込める。このシンプルな2ステップは必須ですが、乾燥やごわつき、荒れやすさなど、肌の調子が低空飛行な時は、皮膚常在菌のバランスを整えてくれる美容液を取り入れるのも一案です。善玉菌(美肌菌)が優勢な菌バランスになる、それは肌が自らうるおいを作り出せる状態と限りなくイコールといえます。季節の移ろいをはじめとする環境の影響や、月経のバイオリズムといった体調の変化にも左右されにくい、丈夫できれいな肌育成のために。美肌菌の働きをサポートする化粧品を使うことは、現代のスキンケアのスタンダードのひとつです。


「腸活」で腸内フローラの菌バランスを整えることは、全身の免疫力を高めることに役立つといわれ、「美肌菌ケア」でスキンフローラの菌バランスを整えることは、外的刺激を簡単に侵入させないためのバリア機能を高めることに役立ちます。体調も肌も健やかな、いきいきとした美しさを目指したい方はぜひ、今日から腸や肌の菌が喜ぶケアを取り入れてみてください。

text:Kumiko Ishizuka
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