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敏感肌やアレルギー肌の方にとって本当に必要な化粧品と、 その付き合い方とは。皮膚の悩みを抱える患者さんの診察を数 多くされてきた皮膚科専門医、アレルギー学会指導医の相場 節也先生にお話を伺いました。
攻めの化粧品と守りの化粧品、
今求められている守りの化粧品。
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2013年のヨーロッパを皮切りに、主要先進国では化粧品開発のための動物実験が全面的に禁止されました。そのため、化粧品の安全性を確実に担保することが難しくなりました。特に、新規成分を添加した化粧品の安全性評価は、まだ発展段階にあります。

したがって、私は現時点では、化粧品には皮膚の美しさを追求して新たな成分を加えるなどチャレンジする攻めの化粧品と、化粧品に求められる保湿性、使用感、心理面の作用など基本的な条件を満たしつつ安全性を第一に考えた守りの化粧品の両者が必要だと考えています。どんな戦いでもいつも勝ち続けられるとは限りません。ある時は、攻めるのをやめて守りに徹することが求められます。化粧品も同じで、ファンデーション、美白化粧品、紫外線対策化粧品、エイジング化粧品などで皮膚が疲れた時に、この化粧品だけは安心して使えるという守りの化粧品が必要です。

確かに化粧品の安全性評価はまだ発展段階にありますが、既存の化粧品成分の安全性に関してはこれまでに膨大なデータが蓄積しています。その中には、動物実験が許されていた時のデータ、動物実験に依存しない最新の代替試験法のデータ、また実際に化粧品を使った消費者の皮膚トラブルや皮膚科医が行ったパッチテストのデータなど様々な物が含まれています。したがって、これらのデータを活用すれば、既存の化粧品成分を用いて安心して使える守りの化粧品を作ることは可能です。

医療の現場で患者さんが使う
化粧品について困ること。
とにかく求められる安全な化粧品。
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皮膚科クリニックを受診される患者さんで最も多いのは、接触皮膚炎(化粧品、医薬品、植物、化学物質などが皮膚にふれて生じる湿疹)の患者さんです。その中でも女性に多いのが顔の接触皮膚炎です。さらにその多くが化粧品や染毛剤による接触皮膚炎です。これらの化粧品による接触皮膚炎(化粧品皮膚炎)を治療するためには、原因となっている化粧品の使用をやめて頂く事が不可欠です。ただ多くの場合、使っている化粧品のどれが原因かは直ぐには分かりません。それなら全てやめれば良いわけですが、翌日からスッピンで会社や学校に行ける人はほとんどいません。皮膚科医をしていて一番困る瞬間です。

その時いつも有ったら良いのになと思うのが、安心して使える化粧品、それもできるだけシンプルな組成、必要最低限のラインナップでできている化粧品です。接触皮膚炎を起こさない化粧品があれば、化粧品皮膚炎を治すのは容易です。また安全な化粧品のラインナップがあれば、それから1つずつ使用する化粧品を増やしていくことで、安全に使える化粧品を見つけていくことも可能です。

また化粧品皮膚炎はアトピー性皮膚炎の治療でも大きな問題になります。アトピー性皮膚炎の患者さんは、化粧品とは関係無くても顔に湿疹ができますが、化粧品皮膚炎もよく起こします。また化粧品にアレルギーがなくても、わずかに刺激作用のある化粧品に敏感に反応し湿疹を起こします。安全な化粧品の選択がアトピー性皮膚炎の顔症状を治療するうえでの第一歩です。

湿疹以外では、ざ瘡(ニキビ)や酒さと言われる顔が赤く腫れたり、ニキビ様の発疹ができる皮膚病でも安全な化粧品は治療に不可欠です。特に酒さは、しばしばその陰に化粧品皮膚炎が隠れていることが知られている病気で、酒さの患者さんを安全な化粧品なくして治療することはできません。

このように医療現場でも安全な化粧品は多くの患者さん、先生方に望まれています。

松田会松田病院皮膚科部長
相場節也 先生

2003年から2021年、東北大学大学院医学系研究科皮膚科 講座教授を務める。専門は皮膚アレルギー全般、特にアト ピー性皮膚炎や接触皮膚炎。 動物を用いない皮膚感作性 試験法 IL-8 Luc assay (OECD TG442E)の開発に携わる。

日本皮膚科学会専門医
日本アレルギー学会指導医

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